「ただいま研修1ヶ月!」動画を制作しました
この1ヶ月半ほど、私の中の8割5分ほどは「新京都南病院」でいっぱいだった。以前、友人の医師が手引きしてくれて院内での上映会が実現したことをHPでも報告した、あの「風通しのいい病院」だ。その友人から、4月の終わりに病院のHPをリニューアルしたいのだが、そこに入れる動画を制作してくれないか、という依頼をいただいた。研修医募集のサイトを、医師を目指している若い人に向けて新しくしたい、そこにドキュメンタリータッチの動画も入れたい、ならば上映をしたあの映画の監督は?と院長が提案してくださったというということだった。
映像といっても、普段、わたしは映画のことしかしていないので、期待に応えるようなものができるだろうか、という不安も過ったが、なによりも病院を初めて訪れて、健康診断をしてもらったときの、感動すらおぼえたあの病院の印象に好奇心がムクムクッ。思わず引き受けさせていただいたのだった。
Webデザイン、動画・スチール撮影、整音、音楽、パンフレットデザインと、今までお世話になってきた、或は今度仕事を一緒にしてみたいと思ってきた方たちに声をかけさせていただき、限られた時間の中で、粛々と制作が進んでいった。
今まで、病院には患者としてしか行くことがなかったのが、病院側の視点に初めて立つことで見えてくる世界は、とても新鮮で、興味深く、発見の連続だった。 とくに印象的だったのは、ひとりの患者を診るのにも、医師のみなさんが、ディスカッションしながら、さまざまな可能性を考えて取捨選択し、最善の道を見つけようとする姿だった。患者は、医師に当然のようにパーフェクトであることを望むけれど、医療に関わる人々は、日々、有機的に変化し続ける身体とそのいのちと向き合い、時にすぐに見つからない答えを模索しながら、学び続け、進化し、その期待に応えようと努力する。さらに病だけではなく、その人の生活環境や人間関係、今置かれている状況、といった、ありとあらゆる要素を絡めながら、その人にとって何がベストかを判断する。あらためてすごい仕事だ、と感服した。そん なことを気づかせてくれる病院だった。
そして「病気ではなく〝人〟を診る」という病院のモットーに、グッときた。私も「問題ではなく〝人〟を撮る」ということをいつも頭の片隅においている。
ついでに、私は小学校1年生のときの文集で〝将来なりたいもの〟で書いたのは「女医」だった。それから33年後、医者にはなっていなかったけれど、医者を撮らせていただいた。わーい!
動画撮影は、大久保千津奈さんにお願いして、約1日で撮ったものを、5分半と1分の動画に編集した。もっともっと、と思うことは色々あるけれど、研修医とそして病院で働くみなさんへのめいいっぱいのエールを込めて制作させていただいた。映像を通して、新京都南病院のみなさんと向き合った1ヶ月半は、最高に楽しかった。HP、募集用のパンフレットとも、それぞれとても良い仕事をしていただき、充実したものとなった。チームでひとつものを作っていくという楽しさにも、久々にドキドキした。
ボヤボヤしていられない、残りの時間は限られている、やっぱり作らなきゃ、作りたいんだ、という思いがフツフツ湧いてくる。自分にできることを、めいいっぱい形にしていかなきゃ、とあらためて思っている。
ということで、長文となりましたが、新京都南病院では、初期研修医を2名募集しています。医師を目指している方、まずはHPのぞいてみてください!