KOTOKO

ワンズ・アイズ映画祭 『KOTOKO』を上映します!

いよいよ明日となりましたワンズ・アイズ映画祭。最後の締めとなる4本目の作品は、塚本晋也監督の『KOTOKO』です。

この映画、正直、観たときはもう痛くて、痛くて、凄まじかった。身体に、この肉体にくるのです。おもわず目をつぶってしまったところもありました。もともと、怖いのとか、痛いのとか、という映画は苦手な方です。これを小金井の上映会でと考えた時は、尻込みもしました。暴力的な描写がありますので、観る上である程度の心構えが必要と思います。
でも同時に、私は映画を観終えた時、壮絶な痛みの感覚と共に、表現としてまさに振り切れていて、なんだかとてつもないものを観てしまった、という感動もおぼえました。うわー、うわー、という声をあげるばかりで、言葉になりませんでした。

この作品は、アーティストCoccoを敬愛する塚本監督が、彼女の世界を垣間見たいと、時間をかけて本人にインタビューして脚本を作り上げています。そしてCoccoは、主演だけでなく、企画、美術、音楽も担当していて、まさに塚本監督とCoccoの湧き出ずる泉のような創造性と、破壊と浄化の炎のような情熱によって作り上げられた作品だと思いました。

あの痛みは、一体どこからくるのだろう、と考えます。人はこの複雑化した社会で生きていくために、様々な感覚や情報を無意識にコントロールしたり、遮断したりして、自分の見たいものを見て、聞きたいものを聞いて、感じたいものを感じて生きている。でももし、その無意識の蓋が開いてしまったら、どうなるのだろう。小さい我が子を愛そう、守ろうとするほどに、この世界は生きづらく、悪意に満ちていて、その中で必死にもがき、人も自分も傷つけずにはいられない。そんな母親の姿が描かれています。わたしたちが見たくないもの、聞きたくないもの、感じたくないものを、全身で引き受けているのが、KOTOKOという存在なのかもしれません。

塚本監督の作品を見るたびに思うことは、映画を身体で観る、という感覚。まさにその世界を体感するのです。こういう映画をどうしたら作れるんだろう、と思います。以前、「野火」の小金井上映会にお越しいただいた時の打ち上げで、「撮影も編集もご自分でされるんですね。」という言葉に「こんな面白いこと、自分でやらない手はありません!」と熱く語っていらっしゃったのが印象的でした。企画から、お金集め、撮影、演技、編集と、その行程すべてにおいて、塚本監督ご自身が、自らの肉体と五感をフル回転させ、この深遠な映画の世界を旅している方なのだと思います。そうして生み出された作品を観られることは、まさに映画の喜びそのものだなと思います。

5月には、立川シネマシティにて塚本監督の代表作『鉄男』シリーズが一挙リバイバル上映です。こちらも見逃せません!
https://realsound.jp/movie/2019/04/post-345959.html

ワンズ・アイズ映画祭
https://www.facebook.com/events/637197273381694/

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ワンズ・アイズ映画祭 Vol.1 ともに生きぬく

日時:2019年4月14日(日)

会場:小金井市 宮地楽器ホール 小ホール
(JR武蔵小金井駅南口駅前)

10:00~『被ばく牛と生きる』
12:50~『願いと揺らぎ』 ★監督トークあり
16:20~『家族の軌跡〜3.11の記憶から〜』★監督トークあり
19:00~『KOTOKO』 ★監督トークあり

<チケット>
前売り:1回券 1,200円 フリーパス券 3,500円
当 日:1回券 1,400円 フリーパス券 3,800円
高校生以下:(当日のみ)500円

<チケットの購入・予約について>
●チケット購入
小金井 宮地楽器ホール 事務所にて販売中。
東京都小金井市本町6-14-45 TEL:042-380-8077
販売時間10:00~19:00

●予約申込について
下記のサイトの申込フォームから必要事項を入力し送信ください。
https://kokucheese.com/event/index/560977/
ワンズ・アイズ映画祭 実行委員からのメールが届きましたら、受付完了となります。当日、受付で申込氏名をお伝えいただき、精算の上チケットをお受け取りください。

<問合せ先>
ワンズ・アイズ映画祭実行委員会
Email : ones.eyes.fest@gmail.com
TEL : 042-380-8270