紅葉食堂

母校の自由学園に通っています

母校の自由学園が、来年4月で100周年を迎えるにあたり、それを記念する映像制作に関わっています。この4月から、本格的に撮影を開始する予定でしたが、新型コロナウィルスの感染により、自由学園も1学期はオンラインでの自宅学習が主となり、当初予定していた撮影も見合わせることになりました。
でもその間も、自由学園の先生方は、4月からのオンライン授業開始に向けて奮闘されていて、学園の歴史の中でも、大きな出来事のひとつでなるであろう今を見届けたい、という気持ちから、春から自由学園に通い始めました。普段はできるだけカメラは他の人にお願いして、二人で動くようにしているのですが、コロナ禍で部外者の出入りは極力人数を少なくした方がいいだろうということで、ひとりでカメラを持って、子どもたちのいない学園に通う日々でした。
2学期からは、時間割や授業を受ける教室での体制、食事の取り方など、色々と工夫しながら進められています。10月には、女子部中学3年生の特別勉強がありました。例年は広島・三重を訪ね、広島では原爆資料館や平和記念公園を巡り、被爆者のお話しを聞くということをしていますが、今年は形を変えて行うことになりました。その中で、ご高齢となった被爆者の方のお話しを、今後も映像として残していくことを考え、撮影してきてもらえませんかというご依頼をいただき、広島で被爆者の柳川良子さんのお話を撮影させていただき、その映像を特別授業の中で、生徒さんたちに見ていただきました。
2学期から、女子部、男子部の中等科・高等科で、探求学習という新たな取り組みが始まっています。この様子も撮影を始めていますが、カメラに映し出される子どもたちは、光りをまとってキラキラしていて、それは私の予想を遥かに超えていて、正直ぶったまげています。
「映像」を口実にして、今の自由学園を間近に見ることができるのは幸運だなと思っています。私自身、10代の多感な8年間を過ごした自由学園が、今現在、どのような教育の場になっているのか、そこで学んでいる子どもたちが、日々何を感じ、思考し、この世界をどんなふうに見ているのか、そしてその自由学園がこの社会へ発信し得るメッセージとはどのようなものなのか、私は知りたいし、理解したいと強く思っています。
…でも映像制作としては、長く厳しく険しい道のりです。楽しいけれど、ラクではない。精神的体力勝負!であります。
●自由学園の新型コロナウィルスへの対応の様子をNHK Worldに取り上げられました。下記から視聴することができます。
●自由学園の女子部中等科3年生の特別勉強の様子が、Yahooニュースに取り上げられました。