集落と田ノ浦2

新年明けまして…

朝、窓を全開にして、事務所の部屋で掃除機をかけていた。なんだか気配を感じて、見上げたらハッ。なんと換気扇の上に、ヒヨドリがとまっているでは あーりませんか。ビーーーーックリ。掃除機の音でまったく気がつかなかった。「よーし、よし、だいじょうぶ、だいじょうぶ」とまるで自分に言い聞かせるみ たいにヒヨさんに声をかけながら、なんとか玄関からご退出いただこうと、箒で誘導するのだが、部屋の天井付近を旋回するばかり。そして換気扇に止まって は、ヒヨさんもわたしもホッとひと息。お互いじっと相手の様子をうかがう。つぶらな瞳がとても愛らしい。

どうしたものかと思いながらも、こんなとき、言葉が通じたらきっと楽しいだろなと思ったり。「あなたさまはどちらからいらっしゃんたんですか?まあま、こ のお煎餅でも食べていきませんか?」なんてことでお誘いして、最近のヒヨドリ業界事情なんていうのを聞けたら面白いのに…。

そうしてまた天井を旋回しているヒヨさんに、今度は私も椅子に乗って、箒を同じ高さにして、ヒヨさんのお尻をちょっと押したら、すっと低空飛行になって、ドアからご退出されたのでありました。ふーっ。


さてさて、気を取り直して掃除の続きをと思って見たら、ありゃりゃりゃりゃ。興奮してちびってしまったヒヨさんの落とし物が台所の壁に…。拭いてみたもの の、ちょっとシミが残りました。そう、新年明けまして、やしほ映画社に運(ウン)がつきましたぁー!っと、おあとがよろしいようで。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

やしほ映画社 纐纈あや