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「福島の声を聞こう!」へ行ってきました。

昨日、作家の渡辺一枝さんが主宰する会「福島の声を聞こう!」へ行ってきました。震災一年後からはじまったこの会も31回目。今回のゲストは浪江町津島地区ご出身の佐々木茂さんでした。会の様子は、今日の朝日新聞にも取り上げられています。

佐々木さんのお話しを聞けば聞くほど、正直、自分の頭がおかしくなってしまいそうでした。東日本大震災で被災し、さらに放射能汚染という人為的災害がふりかかり、そして避難を余儀なくされてきたこの8年の間にも、二次、三次と次々に襲いかかってくる問題。いっこうに進まない除染や汚染土を使う道路計画、健康被害、国や東電の心無い対応、そのための裁判闘争…。佐々木さんが会場に集まった参加者に何度も問いかけたことは、東京電力で作られた電力を日々使っている受益者として、みなさんはこの事態をどう受け止め、行動するのですか?ということでした。
放射能汚染についても、原発問題も、基地問題も、東京に住む人間がするべきことを考え続けていかなければとあらためて思います。

渡辺一枝さんの活動を、いつも自分の励みにしています。初回7人の方の証言集は本になっています。下記にはじめにの文章の一部をご紹介させていただきます。

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『福島の声を聞こう! 3.11後を生き抜く7人の証言』
(オフィスエム出版/2014年/A5判 P150/1200円)
http://ur0.link/0yNr

(オフィスエムHPより一部転載させていただきます)

はじめに 渡辺一枝

2011年7月から、私は被災地に通い始めました。二泊三日あるいは三泊四日で毎月通い、被災地の様子を見、被災者の話を聞かせてもらっています。南相馬市に行くことが多いのですが、現地で被災当事者の口から語られる話を聞くことで、東日本大震災と原発事故を、人ごとではなく我が事として感じられる私でありたいと思うのです。そして、現地で見聞した事を雑誌に寄稿したり、「一枝通信」というメールマガジンで発信してきました。
そうやって情報発信してきましたが、同時にいつも、やはりそれは、私を通した〈言葉〉でしかないと感じてきました。文字で書いた時だけでなく、私自身が現地を語るトークであっても、それは私の〈言葉〉であって、当事者の語る〈ことば〉ではないというもどかしさを感じていました。
「この人のことばを、もっと多くの人に届けたい。この人の声を、たくさんの人に聞いてほしい」と、思っていました。被災から時間が経つにつれて、現地の様子は私たちに届きにくくなっています。新聞やテレビは次々に起こるさまざまなニュースを伝えますし、私たちも3・11を忘れてはいないつもりでも、いま伝えられるニュースに関心が移ります。けれども被災現地では、今もあの日からの日々が続いているのです。「当事者のことばを、そのまま伝えたい」という思いは、募りました。そして思い立ったのが、トークの会「福島の声を聞こう!」でした。私に話を聞かせて下さった方に東京に来て頂いて、参加者に直接話していただこうと思ったのです。その人の声はことばになって、その場を共有する私たちに響くと思ったのです。〜