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ワンズ・アイズ映画祭 『願いと揺らぎ』を上映します!

いよいよ4月14日のワンズ・アイズ映画祭まで一週間を切りました。
2番目に上映されるのは『願いと揺らぎ』です。この作品は私にとって、ここ数年の中で観た国内のドキュメンタリー映画の中でも、最も心揺さぶられた作品のひとつです。それなのに、この映画のことを語るのはとても難しい。なぜなら、この映画は最も言葉にしづらいものを映し出そうとしているからなのだと思います。それは人々の交差する心の動き、点でも線でもなく、面、立体の人々の関係性。まさに〝共同体〟そのものを映し出そうとする映画であると思います。私もこれまで、個人との関係というよりも、地域との関係の中で映画を作ってきたので、映像表現として、これがどれだけ困難で根気がいることか、バランス感覚と鋭敏さ、鈍感さが必要かと想像をします。それを果敢に、愚直に、12年の歳月をかけてまとめあげた作品です。

この映画を観ていると、それまでに味わったことのない大きな喪失感に襲われました。それは、被写体となっている方々が失ったものだけでなく、この映画が失ったものがあることを痛烈に感じさせられたからです。震災がなければ、この映画としての成果は、着地点はもっと違う所へ向かっていたはず。震災によって波田谷で生きてきた人々が失ってしまったものは、すなわち映画が失ってしまったものでもある。それを地域の人々を通して、共に見つめていく。

下世話な話し、映画を作ることだけ考えれば、長年かけて通ってきた地域が震災の被害を受けたとなれば、ドラマティックな演出はいくらでもできるはずなのです。でも本編では、311のその日、その時もカメラをまわして撮っていた映像はほとんど使われません。それは、この映画は震災そのものを描こうとするわけでも、それによって失われたものを映し出そうとしているものでもないからです。震災を経てもなお、この波田谷で生きていこうとする人々の心を映し出すことに終始徹している。そうして直接は描かれない震災が何を奪い、何を変えたのか。今までに触れることができなかった痛みの深部に、この東京に住む私にも、ほんの少し触れさせていただけたような気がしました。100年後にも残っていく、残っていってほしいと思う映画です。

他の方は、どんなふうにこの映画を観るのだろうかと、とても興味があります。もっともっとこの映画を観た人に、その人の言葉で感想を語っていただきたい。そして、ぜひ次の上映会につないでいければと思います。

映画を観ているうちに、カメラを向けている我妻監督とは、どんな人だろうかときっと興味が湧くと思います。ぜひ当日のトークもお楽しみに!

『願いと揺らぎ』は4月14日12時50分上映開始です!

『願いと揺らぎ』映画FB
https://www.facebook.com/negaitoyuragi/

ワンズ・アイズ映画祭
https://www.facebook.com/events/637197273381694/

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ワンズ・アイズ映画祭
Vol.1 ともに生きぬく

日時:2019年4月14日(日)

会場:小金井市 宮地楽器ホール 小ホール
(JR武蔵小金井駅南口駅前)

10:00~ (開場9:45)
『被ばく牛と生きる』(監督:松原保/104分/2017年)

12:50~ (開場12:40)
『願いと揺らぎ』(監督:我妻和樹/147分/2017年)
★上映終了後、監督トークあり

16:20~ (開場16:10)
『家族の軌跡〜3.11の記憶から〜』
(監督:大西暢夫/90分/2016年)
★上映終了後、監督トークあり

19:00~ (開場18:50)
『KOTOKO』(監督:塚本晋也/91分/2011年)
★上映終了後、監督トークあり

<チケット>
前売り:1回券 1,200円 フリーパス券 3,500円
当 日:1回券 1,400円 フリーパス券 3,800円
高校生以下:(当日のみ)500円

<チケットの購入・予約について>
●チケット購入
小金井 宮地楽器ホール 事務所にて販売中。
東京都小金井市本町6-14-45 TEL:042-380-8077
販売時間10:00~19:00

●予約申込について
下記のサイトの申込フォームから必要事項を入力し送信ください。
https://kokucheese.com/event/index/560977/
ワンズ・アイズ映画祭 実行委員からのメールが届きましたら、受付完了となります。当日、受付で申込氏名をお伝えいただき、精算の上チケットをお受け取りください。

<問合せ先>
ワンズ・アイズ映画祭実行委員会
Email : ones.eyes.fest@gmail.com
TEL : 042-380-8270