「西山さんの万漁かご 展」にて映像が上映されます
ここ2年ほどで、自分の中で映像を撮るということに対しての考えが大きく変わってきた。それは、石井和彦と出会ったことが大きなきっかけだったと思う。
私のこれまでの映画作りは、カメラマンの大久保千津奈さんをはじめ、多くの才能そして技術ある人たちの力をお借りして、出来上がってきたものだ。その中で、私自身は一体どれだけの努力をしてこられただろうかと思う。思い上がって多くの勘違いをし、知らず知らずに自分の中で作り上げた、映画としてこうあらねば、という枠に囚われ、凝り固まっていたように思う。
表現において、自分の意志や考え、手法へのこだわりは大切ではあるけれど、私の中で作り上げられたこだわりのほとんどが、ひとりよがりの大したものではなかった。ということが、この1、2年、隣にいる彼の姿を見続けながら、気づき考える機会を与えられた。
映像を撮る、ということは本当に恐ろしいことだけれど、それでも映像の力を深く理解して、もっともっと自由に、いいなあと思うものに素直に反応して、自ら関わっていきたいという強い願いを持つようになった。
石井とふたりで生活を始めてから、幸いなことに、興味深い取り組みやお仕事をしている方に次々と出会い、ふたりで映像を撮り始めた。といっても、彼はもともと写真を撮ってきたので、勝手の違うムービー撮影に四苦八苦。失敗を繰り返し、撮っても撮ってもうまくいかない映像を、ふたりで毎晩見返しながら、打ちひしがれることが続いた。日々、映像についての話しは尽きず、ケンカを繰り返しながらも、少しずつできることを増やしながら、今は苦しみながらも、映像制作できる喜びを感じている。
ちょうど一年前のことになるが、ふたりで東京国立にある 世界のかご カゴアミドリさんへ伺った。福島県いわき市小名浜の万漁かごの展示をしている時で、運良くその作者の西山昭一さん、英子さんご夫妻もお店にいらっしゃった。職人の風情をたたえながらも、深く優しい眼差しに吸い込まれ、万漁かごのお話しを聞きながら、ぜひそのお仕事ぶりを、間近に拝見してみたいと思った。カゴアミドリの伊藤さんご夫妻にその思いをお伝えすると、ぜひご一緒に小名浜に行きましょうと快く受け入れてくださった。
伊藤さんは、お店で扱っているかごの制作者の中には、後継者がいない方も多く、できるだけ記録を残していきたいという思いで、各地の制作者の元に頻繁に足を運んでいることも知った。そんなことで、伊藤さんとご一緒に小名浜の西山さんを訪ねては、撮影をさせていただいてきたものを、今月末から始まる展示会で上映していただく予定です。
ぜひ西山さんがこれまで続けていらっしゃったお仕事の魅力を、たくさんの方に知っていただけたらと思います。
告知版は下記からご覧いただけます。
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☆「西山さんの万漁かご 展」
会期：3月28日(水)‐4月8日(日) 10:30～17:00 ※4/2,3(月火)休
場所：世界のかご カゴアミドリ
東京都 国立市 西 2-19-2 第一村上ビル2F
TEL: 042-505-6563
☆「西山昭一さん × 纐纈あや 上映＆トークイベント」
日 時：4月1日(日) 18時～19時（開場 17時30分）
参加費：500円
定 員：20名
20分ほどの映像を鑑賞後、西山さんのかご作りにまつわるお話や、今回の撮影開始から完成にいたるまでのお話しをさせていただきます。
※映像は、会期中に店内で上映している作品と同じ内容になります。
【お申し込み方法】
e-mailでの受付となります。タイトルを「万漁かごトーク希望」とし、
①お名前 ②ご連絡先（携帯電話） ③人数 をお知らせくださいませ。
みなさまのご参加をお待ちしております。
