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「西山昭一さんの万漁かご展」いよいよ始まりました

〝竹〟がつくづく面白い!と思います。戦後、石油製品が出回るようになってから、暮らしに竹が用いられる場がどんどん減ってしまいましたが、でもよくよく考えてみれば、今でも竹は様々な形でわたしたちの暮らしを支えてくれています。農業、漁業、建築、神事にも欠かせません。
かご、ザル、竹箒、熊手、竹箸、扇子と団扇、竹垣、壁の下地小舞などの建築用材、茶道具、竹刀、弓矢、尺八、笙、ひちりき、笛、バレン、毛筆の軸、草履、海では海苔竹、釣竿、仕掛けで使う筒などなど。

東京国立市のカゴアミドリさんで、「西山昭一さんの万漁かご展」が始まりました。真竹を使って作られる万漁かごは、かつて漁港から水揚げした魚を運搬するために使われていたもので、東北の沿岸部では同じような形のかごが使われていたといいます。西山昭一さんがいらっしゃる福島県いわき市の小名浜には、日本有数の水揚げ量を誇る港があり、かご屋さんも8軒ほどあったそうです。それが昭和40年代に、あっという間にプラスチックのコンテナに取って代わられ、周りの職人さんが次々と辞めていく中で、西山さんはかごを作り続けてきました。カゴアミドリの伊藤さんの知るところでは、この万漁かごを現役で作られているのは、おひとりだろう、とのことです。その西山さんも82歳となりました。

カゴアミドリさんに展示されているたくさんのかごと見比べるとよくわかるのですが、万漁かごはとにかく頑強です。それもそのはず。港で使われていた時には、今お店で販売されている大のサイズよりもひとまわり大きいもので、50キロ近くの魚を運搬していたそうです。暮らしの中の実用品として、ガッシガッシ使って活きるかごだと思います。

店内では、西山さんのかご作りの映像を上映していただいています。明日の西山さんとのトークイベントは、残念ながらご本人が怪我をされてしまって中止となりましたが、私は一日在店させていただく予定です。ぜひカゴアミドリさんのかごたちに会いに来てください!

「西山昭一さんの万漁かご展」
会期:3月28日(水)‐4月8日(日)  10:30~17:00

〒186-0005 東京都 国立市 西 2-19-2 第一村上ビル2F
TEL: 042-505-6563

営業日: 水・木・金・土・日 10:30 - 17:00
定休日: 月・火
http://kagoami.com/