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いい言葉ってなんだろう…

8月23日の毎日新聞「わたしの視点」に浦河ぺてるの家理事の向谷地生良さんが、津久井やまゆり園での事件に関連して語っていた。

向谷地さんは、米IT大手がインターネット上で人と会話しながら発達する人工知能が「ヒトラーは間違っていない」などと発言するようになったため実験を中 止したという話しから、差別的な言葉を浴びるうちに「学習」した人工知能と同じことが、人間でも起きているのではないかとして、以下の言葉が続いている。

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〜統合失調症の人が悩まされる幻聴には、社会の否定的な言葉が取り込まれている。回復には治療というよりも良質の声が必要であり、どういう言葉のやりとりをしているかは大事な要素だ。

 事件は悪質な言葉が幅をきかせていることと関係しているかもしれず、良質な言葉を多くすることがこの現実を変えていくと痛感する。学校や職場などの身近 な場所で、人を励ましたり、勇気づけたりする言葉を大切にする。互いに大事に思えるような会話を取り戻し、当たり前の良い言葉を広めていく必要がある。〜
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〝良い言葉〟〝良質な声〟とあるのを見て、先日FBでまわってきた永六輔さんの言葉を思い出した。「好きな人に告白する言葉を教えて」という小学校6年生の女の子の質問に対して永さんが回答している文章だ。

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言葉は一番大切です。 (中略)

例えば、「いただきます」とか元気な声で言っていると、それだけで「あの子いただきますって言ってるな。きっといい子なんだろうな」と思うじゃないですか。

「あなたがすき」ですとか、「キミを僕のものにしたい」とか、「世界のどこかで待ってる」とか、そういうのはあんまり効果がありません。「きれいだな、おいしいな、うれしいな」ということが同時に感じあえる環境が一番大事。

だから、「好きです、嫌いです」という言葉ではなく、いい言葉を使っている子は好きになれる。(中略)

いっしょの環境にいるときに同じ感動をする場面に出来るだけいっしょにいる。スポーツの応援でもいいです。そうすると、使いあっている同じ言葉にドキンとすることがあって、それが愛なんです。(中略)

きれいな言葉を使いあうこと、きれいなことに感動すること、ふたりで声をそろえて感動してください。
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毎日新聞 わたしの視点(2016/8/23)
http://mainichi.jp/articles/20160823/org/00m/040/007000c

「好きな人に告白する言葉を教えて」小6・女子の質問に対する永六輔の回答が刺さる
http://corobuzz.com/archives/72170